シネマノート

シネマノート

シネマノートへようこそ。シネマノートは、映画ネタの雑文や情報を書いております。映画に興味のある方、ちょろっと読んでいって、感想などくださいな。

« もしもマックのシェアが50%になったら? | メイン | Mac OS X 10.4 "Tiger" 4月29日発売決定! »

2005年04月03日

『アトランティス(ATLANTIS)』〜海洋生物のフィルム・ファンタジー

関連カテゴリ: シネマ徒然

 『アトランティス』冒頭、街の雑踏。街のささやき、喧騒が闇に響きます。やがてそれは遠のき、 私は青い空から、海面へと滑るように近づいていきます。不意に私を取り巻く「音」が質を変え、光輝く白い泡とともに、私は海中から空を見下ろし、そして、深い深い海へと潜っていきます。そこに広がるのは、めくるめく、青い海の世界。どう言葉を並べてもそれらは陳腐になる、美しい世界。優しく包まれる感覚。浮遊感。映像と、それに見事にマッチした音楽が、観るものを別世界へと連れていってくれます。人間は、一切出てきません。 そこは、楽園です。海の生き物たちの、楽園です。

 監督リュック・ベッソンは数年間にわたり、世界中の海の姿、そこに生きるものたちの姿を映像に納めてくれました。その視線は対象への愛に満ち、やさしい。

 海の中では、人間は無力です。太古、海から生まれたはずの私たちは、その適応力を無くし、陸に上り、文明を築き上げました。人類の発展という目的の元、結果として自然を破壊し、我がもののように扱う私たちも、海の中ではとても無力な存在です。海中で私たちが活動するには、重いタンクを背負い、海中で唯一私の命を繋ぐレギュレーターを口にくわえ、タンクからの空気を頼りにするしかありません。そこでは何ができるわけでもなく、ただ、大自然に包まれて、存在させてもらうことしかできません。海水の流れる音、自身の呼吸音、海洋生物の生きている世界。映画では、ただ、ただ、海の中の世界が展開されます。

 少し古い映画ですが、そんなの関係ありません。興味がない、と言う人には無理強いはしません。だけど、優しい気持ちになりたいとき、そんな気持ちを思い出したいとき、ぜひ見ていただきたい一本です。

atlantis_dvd.jpg

リュック・ベッソン(Luc Besson)監督作品
『最後から2番目の男』(1982/フランス)
『最後の戦い』(1983/フランス)
『サブウェイ』(1984/フランス)
『グレート・ブルー』(1988/フランス)
『グラン・ブルー グレート・ブルー完全版』(1988/フランス)
『ニキータ』(1990/フランス)
『アトランティス』(1991/フランス)
『レオン』(1994/アメリカ)
『レオン完全版』(1994/アメリカ、フランス)
『マリン・ブルーの瞳』(1996/フランス)
『フィフス・エレメント』(1997/アメリカ、フランス)
『ジャンヌ・ダルク』(1999/フランス)

このところは、ずっと監督作が無く、脚本やプロデュース業ばかりです。さみしいなあ。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.ideabox.jp/mt/mt-tb.cgi/26

コメント

コメントしてください




保存しますか?