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1999年11月03日

なぜ気づかない『マトリックス(THE MATRIX)』

関連カテゴリ: シネマ徒然

 だからスターウォーズよりもね…あ、前の記事から1ヶ月以上たってしまった。ほんとは翌日にでも続きを書く予定だったんだけど、翌日から怒濤のような忙しさで死んでました。というわけで9月16日の続きです。なお、9月16日分を読んでない人はバックナンバーから読んでから以下を読んでもらえると嬉しいです。
 それと、今回は多分にネタバレを含みます。『マトリックス』をまだ観ていない人は、観てから読みましょう。
 さらに、今回は言いたいことがあまりに多くて整理できないので、いつもとは書き方変えます。
 
■まずはSFX
 これはもうあちこちで言われているが。とにかく凄い! いや、凄いの。凄いんだって(なんてボキャブラリーの少ない…)。ドタマをかち割ったろかってぐらすごい。
 ハリウッドの大がかりな特撮技術、コンピュータ合成や香港映画のワイヤーアクション、それらが隙間無く組み合わされ、今までに見たことのない映像世界が展開される。

■ワイヤーアクション
 ほとんどを役者本人が演じているという。ハリウッドでは異例の、4ヶ月というアクション訓練を経て。壁を使った空中回転も本人。

■それにカメラワーク
 映画終盤。追われるネオが鉄サビだらけの階段を駆け上がる。カメラは追っ手の目線から一気にネオへと距離を縮め近づく。そこで、ただ直線的にズームアップするのではなく、ネオの直前で“グゥインッ”と彼の顔に回り込み追いつめられる表情を伝える。
 ビルに突入。激しいBGMに合わせ、スローモーションを執拗に繰り返す。スローなのに激しい。
 中盤。上空のヘリからビルにガトリングをぶっ放すネオ。地面に落下する薬莢を下から撮し、スローモーション。きらめく薬莢。美しい。
 どんな些細なシーンにも作り手の情熱を感じて、好きです。

■逆転の構図
 全体の構図として面白いと思ったこと。
 冒頭、キアヌ演ずるアンダーソンは夢から覚める。しかし、彼は妙な感覚、“起きてもまだ夢を見ているような感覚”を感じていた。やがて彼は、白ウサギに導かれ、夢から覚める。夢から覚めたアンダーソンに待っていたのは、悪夢のような現実だった。
「夢オチ」というものがある。我々は悪夢から覚めれば、いつもと変わらない穏やかな現実に「ああ良かった」と胸を撫で下ろす。だが、『マトリックス』ではその中身がそっくり入れ替わってしまっている。

■トリニティーの美しさ
 マトリックス世界のトリニティーは強く毅然とたくましく、アンダーソンを導く。真実の世界では母性でネオを包み、支える。あぁ、こんなおねぇさん欲しい…。

■デザイン
 今までの、ヒットした近未来SFは、(大雑把に言って)2つのタイプがあった。一つは、現在の科学が正常進化した明るい未来世界。色で言えば白とかシルバーとか、クリーンな先進的イメージ。もう一つは、『ブレードランナー』から続く、色で言えばブルーとグレー、それに“濁った極彩色”を基調にした廃退的な世界。
 さて、『マトリックス』だが、廃退的。そこは『ブレードランナー』的。だけども、色。それは黒。すべてが黒。もしくはグレー。衣装はシックでハードでスタイリッシュ。メカデザインでいうと、かなりグロテスク。例えればメカニカルな『エイリアン』? でも違う。新しい世界観を作り出したのかも知れない。
 
 あ。長くなったので続きは次回。ん、ほめてばっかり? 次回は辛口かも。

『マトリックス』(1999年/アメリカ)
原題:THE MATRIX
上映時間:2時間16分、7巻、3726m
シネマスコープサイズ SRD/SDDS/DTS
字幕翻訳:林完治
オリジナル・サントラ盤:ワーナーミュージック・ジャパン
スコア盤 カルチュア・パブリッシャーズ
配給:ワーナー・ブラザーズ映画
 

 
THE MATRIX
日本語版公式サイト。とても充実。
 

 
キアヌ君の主演作で似たような映画に『JM』(1995年/アメリカ)があります。その出来は…。
 

 
SF映画が、『ブレードランナー』の呪縛から逃れることは出来るのか。
 

 
“マトリックス・コート”欲しいなぁ。ほんまに、かなり欲しい。すごく欲しい。

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