シネマノート

シネマノート

シネマノートへようこそ。シネマノートは、映画ネタの雑文や情報を書いております。映画に興味のある方、ちょろっと読んでいって、感想などくださいな。

« 堰を切ったように。『フェイク(DONNIE BRASCO)』『ボルケーノ(VOLCANO)』 | メイン | あ、一言。『ボルケーノ(VOLCANO)』 »

1997年11月20日

難しい。『ボルケーノ(VOLCANO)』

関連カテゴリ: シネマ徒然

 難しい。
 文章を書くのは難しい。日記ならともかく、人に読んでもらうのを前提に書く文章というのは、難しい。絵を創るのと同じくらい難しい。書けば書くほど難しくなっていく。書き続ければ、うまくなっているとは思うんだけれど、自分ではそれが分からない。ふとした時に昔のものを読み返してみて、顔から火が出て全身が縮こまる思いをして今これを修正して昔に戻ってそれと差し替えたくなることがあるけれど、そんな事は出来ないから、ただもう、若気のいたりを布団を噛んで悔やむばかりである。そんな時、少しは悪い文章がどんなものか分かるようになったのかも、と思ってみたりする。なんで布団を噛むのかは分からない。

 映画の台詞というのは、それを演ずる役者さんの口から出て初めて、完成となる。
 僕が最近見た映画の台詞で感動したのは、『ボルケーノ』の、ラスト近くの台詞である。

「みんな同じ顔をしているよ」

 これだけ書いたら、何の事かさっぱり分からないと思うけれど、映画を見れば、この一言がどれだけこの映画を引き締めているかよくわかると思う。この映画は、SFXばかりが宣伝されているけれど、それだけの映画ではなく、ちゃんと言いたいことを持った映画である。
 詳しく説明したいんだけれど、映画の解説ではそれは出来ない。映画はやっぱり予備知識なしに観た方がずっと面白いから。某映画評論家さんは、作品の前に映画の筋をとうとうと語ってしまうけれど、あれはやっぱり頂けない。まあ、あの人の映画への愛を感じるから、苦笑しながらも聞いてしまうけれど。

 映像はど迫力で、音楽もすばらしく、役者さんも一流の人が出ているんだけれど、台詞(脚本)が「???」で、興ざめしてしまう映画もなかにはあるけれど。
 逆に、映像も音楽も貧相だけど、台詞に感動してグッと来る映画もある。そんな時、映画っていいなぁ、と思ってしまう。

 この映画の監督は、あのケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの『ボディ・ガード』の人。なるほど、うまいわけだ。脚本はというと、これが初めての劇場用映画の脚本になるジェローム・アームストロングという人。パンフによると、コピーライターをしていた人だそうだ。納得。
 SFXの見所といえば、何といっても溶岩。あれは、恐い、自然に体が硬直してしまうか、体が引けてしまう。どろどろと、ゆっくりと、しかし確実に迫り来る溶岩! 一見の価値アリ。
 あ、長くなってきたので、役者さんについてはまたの機会に。

 などと、今回は文語体で書いてみたけれど、どこかしら偉そうに聞こえて、どうもしっくりこない。
 文章って、難しい。

ミック・ジャクソン監督の主な監督作品
『LAストーリー 恋が降る街』(1991/アメリカ)
『ボディ・ガード』(1992/アメリカ)
『ボルケーノ』(1997/アメリカ)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.ideabox.jp/mt/mt-tb.cgi/5

コメント

コメントしてください




保存しますか?