シネマノート

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シネマノートへようこそ。シネマノートは、映画ネタの雑文や情報を書いております。映画に興味のある方、ちょろっと読んでいって、感想などくださいな。

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1997年11月22日

あ、一言。『ボルケーノ(VOLCANO)』

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 前回、『ボルケーノ』のことをべた誉めしていて、まるで、素晴らしい人間ドラマみたいに書いているけど、それはあくまでパニック映画、災害映画としてみればよく出来ているなぁ、ということで、「素晴らしいヒューマンドラマを観に行くんだ」という過度の期待を持って映画館に行くと、ちょっと肩透かしを食らうかも知れませんので。念のため(笑)
 でも、面白い映画だということに、間違いはありません。都市災害の恐怖を体感できます。

 今日はこんだけ(笑)

『ボルケーノ』(1997/アメリカ)

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1997年11月20日

難しい。『ボルケーノ(VOLCANO)』

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 難しい。
 文章を書くのは難しい。日記ならともかく、人に読んでもらうのを前提に書く文章というのは、難しい。絵を創るのと同じくらい難しい。書けば書くほど難しくなっていく。書き続ければ、うまくなっているとは思うんだけれど、自分ではそれが分からない。ふとした時に昔のものを読み返してみて、顔から火が出て全身が縮こまる思いをして今これを修正して昔に戻ってそれと差し替えたくなることがあるけれど、そんな事は出来ないから、ただもう、若気のいたりを布団を噛んで悔やむばかりである。そんな時、少しは悪い文章がどんなものか分かるようになったのかも、と思ってみたりする。なんで布団を噛むのかは分からない。

 映画の台詞というのは、それを演ずる役者さんの口から出て初めて、完成となる。
 僕が最近見た映画の台詞で感動したのは、『ボルケーノ』の、ラスト近くの台詞である。

「みんな同じ顔をしているよ」

 これだけ書いたら、何の事かさっぱり分からないと思うけれど、映画を見れば、この一言がどれだけこの映画を引き締めているかよくわかると思う。この映画は、SFXばかりが宣伝されているけれど、それだけの映画ではなく、ちゃんと言いたいことを持った映画である。
 詳しく説明したいんだけれど、映画の解説ではそれは出来ない。映画はやっぱり予備知識なしに観た方がずっと面白いから。某映画評論家さんは、作品の前に映画の筋をとうとうと語ってしまうけれど、あれはやっぱり頂けない。まあ、あの人の映画への愛を感じるから、苦笑しながらも聞いてしまうけれど。

 映像はど迫力で、音楽もすばらしく、役者さんも一流の人が出ているんだけれど、台詞(脚本)が「???」で、興ざめしてしまう映画もなかにはあるけれど。
 逆に、映像も音楽も貧相だけど、台詞に感動してグッと来る映画もある。そんな時、映画っていいなぁ、と思ってしまう。

 この映画の監督は、あのケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの『ボディ・ガード』の人。なるほど、うまいわけだ。脚本はというと、これが初めての劇場用映画の脚本になるジェローム・アームストロングという人。パンフによると、コピーライターをしていた人だそうだ。納得。
 SFXの見所といえば、何といっても溶岩。あれは、恐い、自然に体が硬直してしまうか、体が引けてしまう。どろどろと、ゆっくりと、しかし確実に迫り来る溶岩! 一見の価値アリ。
 あ、長くなってきたので、役者さんについてはまたの機会に。

 などと、今回は文語体で書いてみたけれど、どこかしら偉そうに聞こえて、どうもしっくりこない。
 文章って、難しい。

ミック・ジャクソン監督の主な監督作品
『LAストーリー 恋が降る街』(1991/アメリカ)
『ボディ・ガード』(1992/アメリカ)
『ボルケーノ』(1997/アメリカ)

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1997年11月14日

堰を切ったように。『フェイク(DONNIE BRASCO)』『ボルケーノ(VOLCANO)』

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えーさて。
 新作映画が、まるで堰を切ったかのようにどんどん公開されていきますね。
 これは『もののけ姫』と『ロストワールド』が記録的な上映期間でしたから、それで公開されなかった映画が次々と公開されている、ということなのかな。
 その中でも個人的に期待しているのは、『フェイク』(東宝東和)という映画。ストーリーがウソみたいな話なんだけど、これがまた実話をもとにしているというから、驚きです。潜入捜査官というのがいて、マフィアの内部に潜入して、内側から組織を壊す、という話。お勧め。

 パニック映画、『ボルケーノ』(東宝)観てきました。もし都市のど真ん中に火山が噴火したら…。これは、期待していなかったんですけど、ずっとよかったです。今公開中の映画だから、話の筋を書くことは出来ないけれど、「ただのパニック映画でしょ」と思いながら観に行った僕は、図らずも泣いてしまいました。

『ハリウッドに流れ込む、外国の人々』
 ちなみに、『ボルケーノ』(1997/アメリカ)の監督はイギリス出身、『フェイク』(1997/アメリカ)の監督もイギリス。ハリウッドって、今更ながら、世界のハリウッドなのね。
 一度、有名監督、俳優の出身を調べてみようかな。

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1997年11月10日

はぁ〜、恋人かぁ。『恋人までの距離(BEFORE SUNRISE)』

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 恋の映画って、いっぱいありますよねぇ。愛じゃなくて、恋。僕自身がお子ちゃまだからか、愛の映画よりも、恋の映画の方が観たくなります。んで、恋の映画と言うと、ハイスクールだとか、そこら辺まで登場人物の年齢が下がってしまうものが多い(気がする)んだけど、20代の真ん中で、恋の映画と言うのもやっぱりあります。それが、『恋人までの距離(ディスタンス)』。

 20代の真ん中と言うと、そろそろ将来とか、仕事とか、結婚というものが目の前をちらついて、冒険が出来なくなったりします。だって、周りの同年代の中には、結婚して子供までいたりして、妙に焦ってしまったり。そんな時、恋の向こうに、「結婚」をちらちら見ながら、になるのかな、やっぱり。
 映画は、言ってしまえば「ナンパ」で知り合う二人の、一夜の恋の話です。でもね、なんていうのかな、もどかしいの、見ていて。ごく普通の会話、そのなかで相手の気持ちを探って、迷って。恋って、いつまでもこんなもんなのかな。う〜ん、なんて他人事モード(笑)
 二人が普段住んでいる場所の間には、大きな海が広がっています。それぞれに仕事があり、人間関係があり…付き合っていくには、どちらかの生活を変えないといけない。しかし…それは出来ない。でも…
 やがて、朝が来て、別れの時がきます。そして…
 主演のイーサン・ホーク、どっかで見たなぁ、と思ったら、良質の映画にたくさん出ている人でした。女の人の方は、ジュリー・デルピーというひとで、『トリコロール/白の愛』に出ている人。この映画は、三部作なんだけれど、まだどれも見ていません。この二人の会話、仕草がすごく自然で、いいんですよね。こっちがもどかしくなってくる。

 あ〜恋がしたい(笑)

イーサン・ホークの主な出演作品
『今を生きる』(1989/アメリカ)
『ホワイトファング』(1991/アメリカ)
『生きてこそ』(1993/アメリカ)
『リアリティ・バイツ』(1994/アメリカ)
『恋人までの距離』(1995/アメリカ)


『トリコロール/青の愛』(1993/フランス)
『トリコロール/白の愛』(1994/フランス、ポーランド)
『トリコロール/赤の愛』(1994/フランス、ポーランド、スイス)

『恋人までの距離』
(1995/アメリカ/一時間42分)
監督・脚本:リチャード・リンクレイター
脚本:キム・クリザン

イーサン・ホーク
ジュリー・デルピー
エルニ・マンゴールド

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1997年11月04日

なにはともあれ第一歩『フィフス・エレメント(THE FIFTH ELEMENT)』他

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えーさて。つれづれなるままに、うまく行けば日誌のごとく毎日、うまくいかなかったら、…たまにちょくちょく、映画のことで思うことを書いていきたいと思います。
しかしなんですねぇ、アクセスカウンタが100を数えました。信じられませんねぇ。一ヶ月で100というのは、多分少ない方だとは思うけど、嬉しいもんです。事実上、今まで売り物がリンクだけだったというのに。ありがたいことです。おぉ、いきなり映画に関係ない話をしてしまっている、戻さねば。

今、ハリウッドは才能不足だという話を聞きますが、ウソに聞こえないのが悲しい所。公開されてヒットする映画、よくみると監督がハリウッド出身じゃないことが多いんですね。この話は、この前何かの雑誌で読んだんだけれど。たとえば、 『男たちの挽歌』 を撮った ジョン・ウー 監督が、 ジョン・トラボルタ 主演で 『ブロークン・アロー』 を撮ったり、もうすぐ公開される、期待の 『フェイク』 を撮ったのはイギリスの監督だったり。
今上映されている 『フィフス・エレメント』 も、そんな映画の一つ。

監督は、フランス映画出身の、 リュック・ベッソン 様。「様」をつけていますが、僕にとってはそんな人なんです。僕がこの監督を初めて意識したのは、 『アトランティス』 という映画。この映画は、口で説明すると面白くも何ともないですが、海洋記録映画、とでも言いましょうか。だけど、この映画、お勧めです。心が洗われます。音楽は、ベッソン監督と息の合った所を毎回見せてくれる、 エリック・セラ 様。『フィフス・エレメント』でも、すばらしい音楽を作り出しています。
あ、 『ニキータ』『レオン』 の監督、と言った方が早いかな? 一般には、そうですね、『レオン』で人気が安定したのかな。ベッソン監督の作品は、どれも映像が美しい。「メイドインハリウッド」にはない、センスがあります。最近のハリウッド映画、ややもするとただ派手なだけ、やかましいだけ、と言うのが目立ってきているように思います。でも、ベッソン監督は違います。と、少なくとも僕は思っています。あと、音楽に助けられている、と言うのもやっぱりあるでしょうね。エリック・セラの音楽って、ちゃんとメロディがあってきれいなのに、画面の邪魔にならないと言う、最高のものなんです。

音楽について、僕には失敗におもえるのが、邦画の『誘拐』なんです。これ、前半はテンポがあって、ぐいぐいと話に引き込まれるし、後半も展開が面白く、悲しく、引き込まれるものがあるんですが。最後の最後、ラストシーン、音楽がやかましい! 邪魔なんですよね。本来、映画の音楽って、脇役に回って映画を助けるものだと思うんですが、このラストシーンでは、「音楽が感動を強要してくる」ように感じるんです。そうなると、観ているこっちは興醒め。もったいない。

『フィフス・エレメント』でも、その場面にあった、様々な音楽を聴くことが出来ます。すごいな、と思ったのは、(あんまり書くと、これから見る人の楽しみを奪ってしまうけど)CMでも流れている、あのオペラ。途中から、がらりと曲調が変わるんですよね。パンフレットには、オペラとヒップホップの融合、と書いてあったけど。これが、見事に映画を盛り上げてくれるの。ま、一度観てくださいな、聴いてくださいな。

映画自体も、ベッソン監督らしく、きれいな映像(衣装はゴルチエ。あ、ゴルチエだからすごいとか、そうじゃなくて、作品に合っていて、映像と喧嘩していない。たまにあるでしょ? 有名デザイナーの衣装ばかりが目立って、作品を壊してしまっているもの。有名漫画家のキャラデザインをゲームに使って、ぼろぼろのものが出来上がること)、楽しいストーリー展開。あ、もしかすると、ベッソンらしくない、と言う人もいるかもしれない。エンターテイメントに徹している所があるからね。でも、やっぱり、ベッソン映画なんだよね。なんていうのか、よくわかんないけど。
あ、微妙に危うい所でバランスをとっている気はします。一歩間違えば、収拾のついていない、ごった煮映画になったかもね。

ブルース・ウィリス って、冴えないオヤジをやらせたら世界一っですね。 ゲイリー・オールドマン もグー。この人の存在が大きかったですね。あと、コーネリアス神父役の人とか。リールーをやった女優さん、きれい、かわいい。いいですね。あ、そうだ、忘れならない、DJのルビー・ロッド! 彼に迫られるのは嫌だけど。こう考えると、配役も絶妙だったんだなぁ。

ともあれ、お勧めのエンターテイメント作品です。

リュック・ベッソン監督代表作品
『最後の戦い』(1983年/フランス)
『サブウェイ』(1984年/フランス)
『グレート・ブルー』(1988/フランス)
『グラン・ブルー グレート・ブルー完全版』(1988/フランス)
『ニキータ』(1990/フランス)
『アトランティス』(1991/フランス)
『レオン』(1994/アメリカ)
『レオン完全版』(1994/アメリカ、フランス)
『フィフス・エレメント』(1997/アメリカ、フランス)


『男たちの挽歌』(1987/香港)

『ブロークン・アロー』(1996/アメリカ)

『フェイク』(1997/アメリカ)

『誘拐』(1997/日本)


あ、ゴジラのテーマ曲、いいですよねぇ。そうそう、今ハリウッドで作っている、ハリウッド版『ゴジラ』楽しみだなぁ。

『フィフス・エレメント』

監督・原作 :リュック・ベッソン
脚本 :リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
制作 :パトリス・ルドゥー
撮影 :ティエリー・アルボガスト
プロダクション・デザイナー :ダン・ヴェイル
編集 :シルヴィ・ランドラ
制作補 :イアン・スミス
視覚効果スーパーバイザー :マーク・ステットソン
衣装 :ジャンポール・ゴルチエ
音楽 :エリック・セラ

コーベン・ダラス :ブルース・ウィリス
ゾーグ :ゲイリー・オールドマン
リールー :ミラ・ジョヴォヴィッチ
コーネリアス :イアン・ホルム
ルビー・ロッド :クリス・タッカー
ビリー :リューク・ペリー
マンロー将軍 :ブライオン・ジェームズ
リンドバーグ大統領 :ティニー・リスターJr.
フォッグ :リー・エバンス
ライト・アーム :トリッキー

1997年/アメリカ・フランス合作
シネマスコープ
ドルビー・デジタル
上映時間 :2時間7分
字幕翻訳 :戸田奈津子

原作小説 :ソニーマガジンズ
配給 :日本ヘラルド映画
提供 :日本ビクター、日本テレビ放送網、三菱商事